中学受験の社会の暗記は、地理・歴史・公民で覚え方を変える
2026年10月5日 / あんきずかん
「社会は覚えればなんとかなる教科」と言われます。ところが家で見ていると、先週覚えた県庁所在地がもう抜けていたり、歴史の人物と出来事が入れかわっていたりします。
社会は覚える量が多いうえに、地理・歴史・公民で覚えるものの性質がちがいます。同じやり方で押し通すと、どこかの分野で崩れやすくなります。
この記事では、中学受験の社会の暗記を3つの分野に分けて、それぞれの覚え方と、家でできる確かめ方をまとめます。受験をしない場合も、小学校のテストの暗記に同じ覚え方が使えます。
私は中学受験をする子どもの親で、小学生向けの暗記アプリ「あんきずかん」をひとりで作っています。アプリに社会の問題を入れるとき、分野ごとのちがいを整理しました。そのとき考えたことも書いていきます。
社会で覚えるものは、学年ごとに増えていく
小学校の社会は、おおまかにこう進みます。
- 小3 地図記号と、身近な地域のようす
- 小4 47都道府県の名前と位置
- 小5 日本の地形と気候、農業・工業・貿易などの産業
- 小6 憲法と政治のしくみ、原始から現代までの歴史、世界と国際連合
中学受験の塾では、これより早い学年で進むうえに、地方ごとの特色のように中学で習う内容まで扱います。
あんきずかんでは、社会を74単元に分けています。地理が30、歴史が27、公民と世界が17で、1単元は40問です。分けてみると、小5で地理がいっきに増え、小6で歴史と公民が重なってくるのがよく分かります。
地理は、地図とセットで覚える
地理でよくあるつまずきは、名前だけを覚えてしまうことです。
「岩手県の県庁所在地は盛岡市」と言えても、地図で岩手県の位置を指されたときに県名が出てこなければ、地図を使った問題には答えられません。都道府県は、名前・位置・県庁所在地をいっしょに覚えるほうが、あとで崩れにくいです。
産業は、「なぜそこでさかんなのか」とつなげると覚えやすくなります。
たとえば米づくりなら、広い平野があること、川から水を引けること、夏に気温が上がることが理由になります。新潟県の越後平野と信濃川を一度つなげておくと、「米の生産がさかんな県」の問題にも、「日本でいちばん長い川」の問題にも答えられるようになります。
生産量の順位は、年によって入れかわります。全部の順位を丸暗記するより、1位をおさえて、上位に入る県の顔ぶれを覚えておくほうが、問題の形が変わっても対応できます。
歴史は、年号より順番と「だから」で覚える
歴史は、年号から覚え始めると苦しくなります。先に、出来事の順番と、「何が起きて、だから次に何が起きたか」をつかみます。
鎌倉時代の終わりを例にすると、こうつながります。
- 元が2度攻めてくる(元寇)
- 御家人は戦ったのに、新しい土地が手に入らず、ほうびが少なかった
- 幕府への不満が高まる
- 後醍醐天皇が幕府をたおそうと呼びかけ、足利尊氏や新田義貞が味方する
- 鎌倉幕府がほろびる
こうして流れで覚えておくと、「元寇のあと、御家人の生活はどうなったか」のような、理由を聞く問題にも答えられます。
人物・出来事・文化は、時代ごとにまとめて覚えます。室町時代なら、足利義満・金閣・北山文化をひとまとまりにしておくと、銀閣(足利義政・東山文化)と取りちがえにくくなります。
公民は、しくみを図にして覚える
公民は、言葉だけを覚えても、問題で問われる「関係」が見えてきません。
三権分立なら、国会・内閣・裁判所の3つを三角形に並べて、それぞれが他の2つに対して何ができるかを矢印で書きます。国会は内閣総理大臣を指名する、裁判所は法律が憲法に合っているかを判断する、といった関係が図で残ります。
日本国憲法の三原則(国民主権・基本的人権の尊重・平和主義)は、言葉とその意味をセットにします。
漢字で書けるところまで確かめる
中学受験の社会では、「漢字で答えなさい」という指定がよくあります。口で言えても、書けなければ点になりません。
覚えたかどうかを確かめるとき、ときどき紙に書かせてみると、「言えるけれど書けない」言葉が見つかります。「執権」「勘合貿易」のように、ふだん使わない漢字が入る言葉は、特に書いて確かめておきます。
時事は、ニュースと単元をつなげる
中学受験では、その年のできごとを題材にした時事問題も出ます。
国会や裁判のニュースが流れたら「これは三権のどこの話か」、選挙のニュースなら「憲法のどの原則につながるか」を、親子で話してみます。災害や環境のニュースなら、地理の単元につながります。教科書の言葉が、目の前のできごとと結びつくと忘れにくくなります。
どの分野でも、読み返すより思い出す
分野がちがっても、共通して効くことがあります。
教科書やノートを読み返すより、問題に答えて思い出すほうが、記憶に残りやすいことが分かっています。心理学では「テスト効果」と呼ばれていて、ローディガーとカーピックの実験(2006年)がよく知られています。
あわせて、覚えた日、数日後、1週間後と、間をあけてくり返すと忘れにくくなります。
家でやるなら、こんな形になります。
- 覚えたあとは、すぐに問題で思い出す
- 数日あけて、同じ問題をもう一度解く
- まちがえた問題だけを集めて、次はそこから始める
- 1問数秒で答えられる一問一答は、夕食前や寝る前の5分にも回せる
毎日問題を出すのは、親には重い
家で問題を出したり、丸つけをしたりするのは、親にとってかなりの手間です。毎日続けるのは、正直むずかしいと感じていました。
あんきずかんを作ったのは、この「問題を出して、まちがえたところを覚えておく」部分を、親がやらなくてもいいようにしたかったからです。
あんきずかんで社会を覚える
あんきずかんは、小学校の理科・社会・国語・算数の暗記を、一問一答で進めるアプリです。中学受験にも対応していて、受験だけで出る単元や時事も入っています。
社会で使える機能は、こんなところです。
- 学年を入れると、習ったところと、まだ習っていないところが分かれます
- にがてな問題が、正答率の低い順にならびます
- 「つながり」では、ひとつの答えから関係する問題へ進みます。お米を入り口に、8問をたどる流れもあります
- 「ぜんぶ答える」では、世界遺産のように、ひとまとまりを全部言えるかを確かめられます
- 単元を全部正解すると、ずかんにモンスターが1体ふえます
- 読めない漢字にはふりがながつきます
- 学習のきろくは、端末の外に出ません
一問一答なので、資料やグラフの読み取り、記述の練習はできません。そこは問題集や塾のテキストで、覚えるところはアプリで、と分けて使うのが合っています。
どこから始めるか迷ったら、小4の「都道府県と地方」がおすすめです。地理のほかの単元も、歴史の舞台も、この地図の上で起きています。社会の単元の一覧は社会の収録内容にあります。